19世紀、蒸気自動車が危機に陥りガソリン自動車が優位になっていきましたが、この時代にはもう一つ「電気自動車」という選択肢がありました。
電気自動車は最近発明されたものと思っている方も多いと思いますが、実はこの時代から実用的な電気自動車があったのです。
1830年頃、スコットランドのロバート=アンダーソンが世界初の電気自動車の原型を設計したといわれています。
しかし、正確な資料が無く「設計」だけで実際に作られたかどうかは不明とされています。
1835年には、オランダ・グローニンゲンのストラチン教授が小型電気自動車を設計します。
この設計を、助手のクリストファー=ベッカーが組み立てたそうです。
しかし、再充電が出来ない電池を使用していたため、あまり優れた自動車とはいえませんでした。
アメリカでは1890年頃まで電気自動車に関心が向けられていませんでした。
その中で1891年、A.L.ライカーが、3輪の電気自動車を作りました。
同年、ウィリアム=モリソンが6人乗りワゴンを作り始めます。
これらの開発により、1895年頃から関心が向けられるようになりました。
1894年にフランスで開催された自動車レースにて、電気自動車がガソリン自動車や蒸気自動車とともに参加していました。
また、1898年の乗用車コンクールで、電気自動車が圧倒的な人気を集めたのです。
そして1897年、アメリカのフィラデルフィア電気自動車会社が商業用途の電気自動車を製造します。
この電気自動車が、当時のニューヨーク市内のタクシー全車両に採用されたそうです。
1899年、ベルギー人レーシングドライバー、カミール=ジェナツィが、電気自動車を自ら設計しました。
小型の電気自動車で、時速約109km(正確には68マイル)という、当時の世界記録を塗り替えるほどのものでした。
1899・1900年(19世紀末の2年間)は、アメリカで電気自動車が爆発的に売れました。
これは、他のタイプの売り切れが続出したためだそうです。
1902年登場のフェートンは、まさに電気自動車の礎を築きました。
当時、時速14マイル 、走行持続距離18マイル 、価格1000ドル(当時)だったそうです。
1926年には、「電気自動車+ガソリン自動車」、つまり今で言う「ハイブリットカー」を実現させています。
このように、電気自動車が広まっていき、利点の多さから世間に認められるようになりました。
しかし大半の人は最近になって世間に認められたと思っています。
これは、1950年頃~1970年頃にかけて、様々な事情により町では電気自動車が走らなくなっていたからです。
Copyright© 自動車の歴史 All Rights Reserved.